2025.3.12 “Caretaker”から、 ヨウジヤマモトの購入時に付属する 残布や残糸、スペアパーツ入れまでをメディウムに、再構築したスカーフが登場↑ このブランドを代表する、 ウールギャバジンを始め様々な素材を使い パッチワークにした後にシルク糸で刺し子を施しました。 ヨウジと同じく「黒」を追求した、 20世紀 ロシア・アヴァンギャルドを代表する 画家：カジミール・マレーヴィチの「黒の正方形」をオマージュした1枚。 「白い地の上の黒い正方形は無対象の感覚の 最初の表現形式であった。正方形とは感覚、 そして白い地とはその感覚の外側にある「無」である」 サイズ：約50cm×50cm 保存袋付き ◼︎ こちらのスカーフ、 マレーヴィチの「黒」が、 様々な色で出来た「黒」だったと云ふ逸話から着想を得ました。 ヨウジも様々な素材で「黒」い服を作ってマスが、その「黒」が美しく映えるのわ、単一素材でわなく他の素材と組み合わせた時で賞。 ◼︎ 「黒の衝撃」から始まった、 そのキャリアや伝説によく目を凝らすと 確かに「黒」い服だけを作ってきた訳でわないが、 「黒」がなければ成り立たないと云える。 そも「黒」とわ、 かつてキリスト教 中世ヨーロッパでわ不吉な色であった。 それわ、糞の色、糞が還る土の色、土わ死者が埋められる場所 そして、その下にわ地獄があるーーー その死を連想させる禁忌を破ることこそが「黒の衝撃」であった。でわその「黒」わどこから来たか。 ◼︎ 父を亡くした戦中に生まれ、物心ついた時にわ敗戦の「影」が大地を覆っていた。 食糧難や物資の欠乏の中で育ち、母に連れられ「ヤミ」にも行ったことでしょう。 目につくのわ、痩せこけたボロボロの復員兵たち、 家族を亡くした孤児や乞食。 豊かで格好のいい米兵に媚びる女たちの安い香水の匂い。 ーーやがて知る。 日本に落とされた2発の爆弾を。 ◼︎ 全身を黒い服に身を包んだ時にふと浮き上がる不思議な感覚。 自分が包摂されながら消えていくような、黒く靡くその服の動きの後に、遅れて自分がやってくるような感覚。 唯一外側にある肉体わ、ベルイマンの死神のように白く浮かび上がる。 黒とは感覚。地獄の意匠、地を這う影、逆光の闇、巨大な穴。 そして人間とはその感覚の外側にある「無」である。