山梨鐐平の＜太陽が知っている＞は、まさに勢いのあるナイス・オープニング。大貫妙子＜サマー・コネクション＞は、アルバム・ヴァージョンよりもグルーヴィーなシングル・テイクを収録した。沢田亜矢子は、もちろん女優／タレントのあの方。実は何枚かアルバムを出していて、中にはこんなシティ・ポップスがある。山下達郎ワークスで池田典代は、シングル・オンリーのレア曲。村松邦男は、もちろん元シュガー・ベイブのギタリストだ。富沢聖子の＜冬色の花束＞は故・佐藤博のサウンド・プロデュースによる打ち込み系ミディアムで、かの名盤『awakening』からの流れを感じさせる好曲である。
２曲目の風もそうだけれど、このイルカの隠れAORチューン＜Follow Me＞には驚く方が少なくないだろう。オフコース時代の小田和正が提供と言えば、ピ～ンと来る方もいるかな？ FIRST BLANDはスタジオ・ユニットとしても活躍した実力派グループで、岡崎友紀のバックなどで知る人ぞ知る存在。この＜The Other Side Of Life＞は、モロにスティーリー・ダンしていて実にユニークだ。81年にこの音は、なかなかいなかったと思う。大久保一久は、風で伊勢正三の相方を務めた人（元・猫）。かぐや姫を引きずってデビューした風がAORっぽいサウンドにシフトしていったのは、この人のセンスに拠るところが少なくない。桑名晴子の＜夜の海＞は、一昨年に亡くなった兄・正博が遺した名曲のカヴァー。
アーティスト的には著名どころが少なめだけれど、もちろん内容には遜色なく。むしろ、だからこその初CD化５曲なワケで、コアなシティ・ポップ・ファンには“オヨヨ” な一枚かも。
